我ら同胞を見捨てず

終戦時、日本の傀儡国であった満州にはおよそ170万の日本人がいた。敗戦後の満州国解体により、彼らは故国・日本へ帰還することもできず、ソ連の侵略による恐怖のなか満州に取り残され、棄民同様の悲惨な生活を強いられる。

そうした人々を日本に引き揚げさせるべく奔走したのが、丸山邦雄、新甫八朗、武蔵正道の3人である。彼らは危険を冒して満州を脱出、日本各地で世論喚起の演説を行なう一方、マッカーサーGHQ最高司令官や吉田茂外相(のち首相)をはじめとする日米の要人に働きかけ、ついに敗戦から8ヶ月後の1946年4月、在満日本人の引き揚げを実現させた。

本書は使命に燃える3人の献身的な活躍を、当時の歴史的背景および満州における日本人の暮らしぶりとあわせてヴィヴィッドに描いたノンフィクションである。

定価:2,415円(税込)
978-4-434-16055-4