新老楼快悔 第80話 こども造形展に見る楽しさ
北海道新聞社の一階会場は様々な展示会の会場になっていて、見物人の目を楽しませてくれる。先日は「第64回小学校こども造形展」が開催されており、引き込まれるように入った。コロナ禍で2年間の中断があり、久々の開催だという。
図面などの平面作品が370点、工作などの立体作品が100点、それにつるす飾り作品などもあり、いずれも普段の図面工作の授業の中で作ったものばかり。
担当者は、「作品に優劣をつけないで展示しています。子供たちが授業で実践した作品です。“宝”です」と話していた。
壁いっぱいに貼られた図面類は、子供の表情を描いたものが多い。友達同士で描いたのであろうか。自画像と題するものもある。構図もしっかりしていて、図柄や配色などもなかなかいい感じの作品が目立つ。
立体作品は微笑ましいものばかり。「ひみつのすみか」は子供の誰もが一度は考えるものの一つだろう。「野球選手」は男子の変わらぬ憧れで、バットを振る強打者の作品が目についたが、新たに出てきたのが「ファイターズガール」。あの「キツネ踊り」が連想されて楽しくなる。
「未来のわたし」のコーナーはなかなか面白い。「ウェディングプランナー」「アニメーター」「薬剤師」「笑顔いっぱいの保育師さん」などは現代の子供心理に触れるようで興味深い。
会場を一回りして帰る時、土産をもらった。といっても紙一枚。何だろうと思い読んでみると「くらべてみよう1番の山たち」とあり、大小別々の正方形四枚に、世界一位エベレスト、日本一位富士山、北海道一位旭岳、札幌一位余市岳が印刷されている。
これを一つの角に切り込みを入れ、三角を三回折って広げ、次に一つの角から中心まで斜めに切り込みを入れたら、折り目をすべて山折りにして三角錐を作り、最後の角を折り込んだら出来上がり。これで世界と日本と北海道と札幌のそれぞれの一番の山が眼前に現れるというわけ。
いやぁ、参りましたと感服しながら、こんな楽しい工夫をしながら学ぶ子供たちに、がんばれーっ、と叫びたい気持ちになった。
外に出ると雪がやみ、明るい日差しがこぼれていて、老身のわが心をより和ませた。
2023年3月24日
老楼快悔
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