三浦綾子論

その現代的意義

三浦綾子生誕百年記念出版


 2022年に生誕100年を迎え、没後20年以上が経った現在でも、三浦綾子の文学はまったく色褪せていない。「罪と神によるゆるし」をテーマとした作品群に強固な普遍性があるのはもちろんだが、そこにはさらに読者の心を揺さぶる何かがあるのではないだろうか。
 本書は、その“何か”を論理的に解説するとともに、著者の三浦綾子作品に対する真摯で熱い思いを余すところなく伝える一冊と言える。


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【著者紹介】
小田島 本有(おだじま もとあり)
 1957年、札幌出身。76年札幌西高、82年北海道大学文学部卒業。87年北海道大学大学院文学研究科修士課程修了。89年釧路高専に着任。現在同校教授。専門は日本近現代文学。地元を中心に公開講座、出前授業、読書会、朗読会などの活動を展開中。05年5月以来、北海道中小企業家同友会くしろ支部のHPで「今月の文学探訪」を毎月更新。また、21年7月からは北海道新聞夕刊で「道内文学」創作・評論の執筆を隔月で担当。
 著書には『語られる経験―夏目漱石・辻邦生をめぐって―』(近代文芸社、94)、『小説の中の語り手「私」』(同、00)、『午後のひとときコーヒーブレイク~ある国語教師のつれづれなるままに~』(同、02)、『釧路から~国語教師のメッセージ~』(釧路新書、07)がある。
 
 
【目次】
第一章 「絶望」と「再生」の間 ―『道ありき』『石ころのうた』―
第二章 渦巻く嫉妬 ―『氷点』―
第三章 「わびる」と「ゆるす」 ―『続氷点』―
第四章 「愛する」=「ゆるす」 ―『ひつじが丘』―
第五章 「犠牲」と「約束」 ―『塩狩峠』―
第六章 「教育」と「反抗」 ―『積木の箱』―
第七章 「執着」のもたらす禍根 ―『天北原野』―
第八章 「災難」か「試練」か ―『泥流地帯』『続泥流地帯』―
第九章 「殉教」した息子 ―『母』―
第十章 「昭和」「戦争」そして「教育」 ―『銃口』―
最終章 三浦文学と私


三浦綾子論:著

発売月:2022年04月

定価:1980円(税込み)
46判、ソフトカバー
頁数:294ページ
ISBN:978-4-434-30154-4 C0095