亀と蛇と虹の寓話

丸山健二文学賞 第2回受賞作品


絶海の南の孤島に生きる3人は現実社会での生活を棄て、丸裸で、
自然に採れるものを食べ、“彼女”を共有し、人間とは何か、
性とは何か、生とは何かを模索する。理性と狂気と幻覚が交錯する。



南海の孤島における、男女三人の生と性の営み。
彼らはやがてさらなる高みへと飛翔する。
時来たらば蚕が繭を破って羽化登仙するように、
人は肉体の繭をかなぐり捨てて天に昇る。
なんの不思議、なんの不安があるだろう。


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〈この作品が丸山健二文学賞をいただくことになったのはかなり以前になりますが、前の受賞者の本が出たばかりでもあり間隔を置いて出版したいとのことで、当初は二○一六年の前半に出る予定になっていたものの、版元の事情もあり延び延びになって月日が過ぎ、丸山健二全集を出版している札幌の柏艪舎が出版を申し出てくださったことで、このたびようやく出る運びとなりました。信州に暮らす丸山健二さんが関西在住のわたくしの作品を選んでくださり、北海道の出版社から出るというのは、東京を介さない新しい文芸出版の形のような気もして、今後より多極化していくことを願いつつ、社会からもっとも遠く離れたこの作品が、なるべく多くの読者に届けばと思っています。千数百年も前にこの国の言語で初めて書き記された言葉が、今なお国体の基盤でありつづけてしまうほどに強い拘束力を持っているということは、時代や社会は変われども人々の思考方法がその間ほとんど変わっていないのではないかと考えながら、その神話的なリアリティで現代小説を書こうと試みた作品です。〉
(東賢次郎 2018.4.20記)

【著者紹介】
東 賢次郎(ひがし けんじろう)
1966年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒。
出版社勤務をへて、京都へ転居。
著書に短編集「レフトオーバー・スクラップ」(冬花社2009年刊)


東賢次郎:著

発売月:2018年04月

定価:1700円(税込み)
46版 ハードカバー
頁数:192ページ
ISBN:978-4-434-24562-6 C0093